Scandinaviaの踊り
1.舞踊的分類
Norwayの研究者krala sembによれば
Bygdedans
Gammaldans
Turdans
Songdans
と分類することができる。さらに上に含まれない踊りについて
Songgame
Langdans
と分類するサイトなども見られる。(学術的裏付けは取れていない)
Polska, Mazurkaといった音楽的な分類とは異なるので注意が必要。(MazurkaはほとんどGammaldansであるなど、それぞれ歴史的経緯による傾向はある)また、ある本ではこうした分類は理解を妨げるかもと書いてある。また同じ本の中にはSwedenのダンサーにとっては
Folkedans Square、Contra、Chain スタイルのもの(Songdans, Songgame, Langdansが含まれると思う)
Bygdedans 村の踊り
Gammaldans 昔の宮廷の踊り
Sällskapsdans (現代の)社交ダンス
vardaglig, inhemsk 不明
と分けることが多いらしい、と紹介されている。彼らにとって村踊りはfolkではないことがうかがえる。(Turdansの位置付けは不明である)
当初筆者は音楽分類と舞踊分類を混同していたため、人に伝えるときに間違ってしまうことがあった。よくないなぁ…。それから、TurdansはGammaldansに含まれる気がする。
2.音楽的分類
Polska Swedenでは支配的。移入してきたのはかなり古い。Scandinavia分布し、それ以外の地域では見られない。名前の通りpolandに由来と思われる。結構自分的には研究が進んでる。
Vals ワルツの北ノルド語読み。bygdedansでは見たことない。
Reinrender/Schottis チロル発祥と考えられる。ヨーロッパ一般で見られる
Hambo よくわからん。polskαの一種だと思っていたがそうでもないらしい?関連性はあるのかも(例えばpolkaとReinrenderのような)。Sweden以外で見たことがない。
mazurka polskaの親戚か?という感じだが、18世紀に発生したらしいので、polskaとは別経路、別時代にScandinaviaに入ってきたものと思っている。
Vossarull
0.分類
地域:Norway-Vestland-Voss
音楽的分類:gangar
舞踊的分類:Bygdedans
形態 Couple, LOD方向に進行
規模:アメリカでは20人以上で踊ることおもあるようだが、現地映像では単カップルで踊る競技会のものしかないので不明。
1.概要
Norway, Vestland地方のVoss村のBygdedansである。地方自治体としての規模は15,000人程度であり、この国の人口を考えるとさほど小さい村というわけでは無い。地理的にはベルゲンのやや東に位置し、Norway西部に該当する。
rullとは英語でいうrollを表し、回転の踊りという意味らしい。しかし、個人的には、この踊りに限らず、北欧の踊りは回転ばかりなのであまり区別する意味あるか?と思う。
VossのRullでVossarulであるが、rullは別名Rudlともいうので、Vossarudlとも呼ばれる。場合によってはRudl fra Vossなどという場合もある。
二拍子であり、音楽的には明らかにgangarであるが、California Folkdance Federationの記事ではGammaldansとの類似性が指摘されており、踊り方は伝統的では無い可能性がある。(さらに言えばSwedenのpolskaに似たターンをするものがある。Polskaは三拍子であるが、足の出し方が同じである)
2.Figure(Tur)
1.Walk
2.two-step
3.two-step turn
4.pivot turn
5.reverse two-step turn
6.half turn
の動きを繰り返す。便宜上アメリカのラウンドダンス の用語で示したが、実際の動きは大きく異なる(特にpivot turnはラウンドのものと大きく異なり、この踊りを特徴付けている)上で示したキーワードをyoutubeで検索して確認することを進める。
1→2→4→5→1→…
→3→4 →6→4→…
→3→…
という構成になっている。切り替えのタイミングは男性が指示する。
3.資料
70年代のアメリカのStockton FolkdanceでCallされたものが日本に入って来て居る為、日本での踊り方は現地とはかけ離れたものである。一方、現在のアメリカでは現地講習者を呼んでいるサークルもあり、現在のアメリカ人の踊り方はかなり現地のものに近い。Scandia DCの資料はかなり参考になると思う。
一方、現地の動画は競技会のものしかないので、本来の村の踊り方とはかけ離れて居る可能性がある。引き続き探していきたいが、あまり見つかりそうもない
4.余談
Rullはこれ以外には資料が全くないbusserullしか存在せず、踊りのカテゴリーとしてどうなんだろう、と思っている。gangarでいいじゃん…と思ったりもする。
Daldans
0.分類
地域:Sweden-Dalarna-Mora
音楽区分:Polskaなどいくつかのメドレー
舞踊区分:Turdans
形態:Couple
規模:人数問わず。LOD進行
概要
SwedenのTurdansの一種。
日本の学生フォークダンス界でまともなTurdansはこれのみであるので、細かいところがかなり変わってきているようである(主観だが、Bulgariaなど踊りの数が多く同じステップが複数の踊りで見られる国の踊りはその分だけ変化しにくいように思う)。当初の名前は”Dans för en morakarl och en kulla”であり、”Dalkarlsdansen”となった後に“Daldans”と呼ばれるようになった。(1898年時点ですでにDaldansと呼称されている)
歴史
1843年 カール14世ヨハンの戴冠25周年記念式典で発表
1890年代 ウプサラ大学の学生によって再発見
1898年 『Svenska Folkdanser』発行。sweden語の本であり、Daldans以外にもいくつかの踊りが収録されている。
http://runeberg.org/lekstugan/0002.html
1905年 『Swedish Folkdances』発行。上記の本を英語訳したもの。
https://archive.org/details/swedishfolkdance00berg/page/38
1956年 California Folkdance FederationによるLet's Danceの1956年5月号の記事で踊り方及び由来が紹介されている(戴冠式についての記述もここで初めて出現)
1980年5月 詳細は不明だが、京都大学にて「スベンスカ講習会」が開かれ、kvkに伝わる。
踊り方
Figure(Tur)は13あるとされることが多い(切り方で変わる)動画を見ればわかるが覚えるのが大変な代わりにリフトとハンボターン以外は難しくはない。Skansenのものとkvkのものはかなり違いがあり、これらの点についてはレポートにまとめた。
Ръченик(Rucenik)
0.分類
地域:Bulgaria-Dobruja
音楽的分類:Racenica
舞踊的分類:Ръченик
形態:Single, LOD方向に進行またはその場
規模:Youtubeの酒場で踊っていた動画では三人で踊っていた。
1.概要
Bulgaria,Dobruja地方のsingleで踊る男性舞踊の形式(手間なので以下アルファベット表記)。Dobrujaは大地を踏みしめる低重心の動きが特徴的であるが、この踊りは特にGround Playを頻繁に行うのが特徴的である。また、DobrujaとThraciaの踊りは部分的に互換性がある場合があり、ThraciaのRacenicaでこの踊りでよく見られるモチーフと同様のものが踊られるのを見たことがある。もちろんその場合は重心はThracia風である。
日本で踊られているものは、今のところ、Filip Kutevなどの舞踊団において踊られる舞台舞踊として昇華されたもの、もしくは日本の講習者が現地で習ってきたもの自分で構成し直したもの、現地人がこちらにきて講習していったもののいずれかであり、実際に村踊りとしてどのように踊られていたのかは不明である。Youtube上に酒場で踊る動画が存在するのだが、振り付けが決まっており、舞踊団の影響が推察される。他の類似する地域(冷戦時に共産主義圏であった国々)の様子から、村ごとに違う踊りだったものが外部から見て同じように見えてしまったために習合したと考えてる。
要するに全然わからないので、詳しい先輩後輩に聞きつつこれから色々書いて行くつもりである。
*僕が見たことあるもの
Rucenik kvkで継承されているVeserinと呼ばれる講習者が講習したもの。年代は不明。現在のkvkでは源資料とは比べものにならないほど低姿勢で踊られている
Rucenik 1995年度の関西バルカン研究会で講習されたもの。
Rucenik ot Kalipetrovo 2017年度関西バルカン研究会で講習されたもの。2007年度にも類似の講習あり
Kalipetrovski Rucenik 2005年度関西バルカン研究会で講習されたもの
Sborenik SborenkaとRucenikのメドレー。完全に舞台舞踊に昇華されている。
Tropanka No.2
0.分類
音楽分類
舞踊分類
形態:LOD先頭のLine、LOD方向に進行
規模:不定、何人でもよい
1.踊り方
手を大きく振り、足をふみ鳴らすBulgaria、Dobrujaの踊りの形式である。(余談だが,Dobruja地域はRomaniaにも存在しそちらにも同様の系列の踊りがあるらしい…が情報がほとんどない)
今回のTropankaはオープンサークルで踊り、Figure1が8回, Figure2が三つのバリエーションを4回-2回-2回で8回, Figure3が3.5回である.
2.歴史,微妙な話
僕がやったやつは先崎さんが講習した踊りであり、代々サークル内で受け継がれているようだが、どうもこれはこの人が動きの順番を決めてしまった踊りらしい。更に言えばTropankaという名前自体が形式の名前を指すようで、(例えば盆踊りのような意味)、この踊り自体の名前は不明である(例えば鶴崎盆踊りといった、地名や作った人の名前が入らないと他の同じ形式の踊りと識別できないはずである)
先崎さんの資料では, Tropanka No.2となっており、まだこちらの呼称の方が幾分かマシではないかと思う。なお、先崎さんは1976年にSan DiegoにてRon Wixmanなる人物に教わった模様。